アンティーク時計の修理が難しいといわれている理由とは?
機械式のアンティーク時計は小さな部品で構成され精密に作られているため、通常の時計と比べて修理が難しいとされています。今回はアンティーク時計について修理が難しいといわれている理由について解説します。あわせて時計修理業者の選び方にも触れますので、アンティーク時計の修理を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
そもそも「アンティーク時計」とは?
アンティーク時計とはどういう時計なのか分からないという人もいるかもしれません。アンティークという言葉自体は古いものを指す意味で、1960年代までに製造及び販売された機械式時計がアンティーク時計と呼ばれています。
1970年代以降は電池を動力としたクオーツ式腕時計が普及しましたが、アンティーク時計は機械式となっておりゼンマイを動力としています。その他のアンティーク時計の魅力や注意点については以下の通りです。
アンティーク時計の魅力
アンティーク時計は現代の時計にはない職人の技が凝縮されている点が魅力的です。個性的なデザインであり、年代が古いものであればあるほど、希少価値が高くなることもアンティーク時計の魅力です。
アンティーク時計の注意点
アンティーク時計は1960年代までに製造された時計のため、現在販売されている時計と素材が大きく異なります。現在の時計は、錆びにくいような改良や磁気帯びしにくい部品を使用していますが、アンティーク時計は注意が必要です。
アンティーク時計の修理が難しいといわれている理由
腕時計を長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスやオーバーホールが必要となりますが、アンティーク時計の修理が困難とされている理由は、どういった理由なのでしょうか。アンティーク時計の修理が難しいといわれている理由について解説します。
部品サイズが小さい
アンティーク時計の修理が難しいと言われる理由の一つとして、部品サイズが小さいことが挙げられます。腕時計自体のサイズも現代の腕時計より小さくなっているため、内部の部品も小さな部品を積み重ねて作られています。
腕時計を長持ちさせるためにオーバーホールが必要となりますが、全ての部品を分解して洗浄するため部品サイズが小さいアンティーク時計は困難な作業となります。
また、現代では製造されていないアンティーク時計は部品も生産されていない特殊なものばかりです。部品を失くしてしまえば、時計として使えなくなるため、アンティーク時計の修理は専門業者でも難しい作業となります。
部品が経年劣化している
腕時計の部品も消耗品であるため、どの腕時計でも部品は経年劣化してしまいます。アンティーク時計は1960年代に製造されていることもあり、現行の腕時計と比べると部品の消耗は激しいと言えるでしょう。
アンティーク時計は経年劣化している部品が一つにとどまらない可能性があり、部品交換だけでは修理できないという難しさがあります。
オーバーホールしても時計が動かないという場合は部品の経年劣化が理由として考えられます。
交換部品が生産されていない
1960年代に製造されたアンティーク時計の部品は、生産されていないことがほとんどで、現代の腕時計の部品では応用が利きません。
アンティーク時計の修理が難しい一番の理由としては、交換する部品がないことで修理が出来ないことです。
アンティーク時計に強い業者であれば部品を探すことも可能ですが、部品が見つからなければ修理自体を断られる可能性があります。
時計修理業者を選ぶ際にチェックするべきポイント
大切なアンティーク時計を修理に出す際は、信頼できる時計修理業者を選ばなければなりません。時計修理業者を選ぶ際にチェックするべきポイントについて以下の通り解説します。
資格の有無
まず時計修理業者を選ぶ際にチェックするべきポイントとして挙げられるのが、時計修理技能士の技術力です。技術力をチェックするポイントとして、一級時計修理技能士の資格の有無を確認すると良いでしょう。
修理保証の有無
アンティーク時計の修理は困難な作業でプロが修理をしても不具合が発生する可能性があるため、修理保証の有無をチェックしておきましょう。修理保証を設けている時計修理業者であれば、安心して修理を任せられます。
正規店であるかどうか
時計修理業者にはさまざまな業者がいますが、メーカーの正規店であるかどうかも時計修理業者を選ぶ際に重要なポイントとなります。
修理を依頼するブランドの正規店であれば専門性の高い修理を期待できますし、一般の業者には無い部品を取り扱っている可能性も高いです。
まとめ
今回はアンティーク時計の修理が難しいと言われている理由について解説しました。そもそもアンティーク時計とは1960年代までに製造された機械式時計を指しますが、部品が経年劣化していることや交換部品が見つからないことで修理が難しくなってしまいます。もしアンティーク時計の修理依頼をする際は、時計修理技能士の資格と修理保証の有無を確認しながら修理業者を探しましょう。またメーカー正規の時計修理業者であるかどうかも、修理業者を探す大事なポイントとなります。