時計修理はメーカーと専門業者どちらに依頼するのがおすすめ?
時計修理は失敗する恐れもあるため自力でするのはおすすめできません。スキルのある職人に依頼すべきであり、対象になるのがメーカーと専門業者です。専門的な技術があるので、安心して任せられるでしょう。そこでこのコラムでは、メーカーと専門業者のそれぞれのメリット・デメリットを明らかにし、どちらに依頼したらよいかを解説します。
時計修理をメーカーに依頼するメリット
時計修理をメーカーに依頼するメリットは2つあります。
高い技術力がある
メーカーには設備が備わっており、そのうえ、専属の時計技師がいるため、高い技術力を誇ります。そもそもメーカーはそのブランドの専門的な知識を持っており、とくに特殊な時計に関してはメーカーでなければ直せないものも少なくありません。
その上、修理に使う各種部品やパーツはすべて純正品です。そのブランドが好きなのであれば、当然メーカーへの修理依頼がおすすめします。
保証がある
メーカーに修理してもらうと、修理後にメーカー保証がつくのが一般的です。保証の内容はメーカーに寄って大きく異なりますが、高級ブランドの腕時計になるとオーバーホールの依頼で2年間の国際保証がつくこともあります。
長く利用するのであれば、保証ありのほうが安心感もあるでしょう。保証を重視する方にも、メーカーへの修理依頼がおすすめです。
時計修理をメーカーに依頼するデメリット
メーカーへの修理依頼には、以下の2つのデメリットがあります。
料金が高い
メーカーに時計の修理を依頼すると、専門業者に依頼するよりも料金が高くなります。メーカーには専属の技師がおり、さまざまな設備もあるのでコストがかかるため、その費用が料金に跳ね返るのです。
たとえばメーカー側のオーバーホールだと、安くても2万円から高いと5万円を超えることもあります。まとまった資金が必要になるため、高級時計でなければ「割が合わない」と感じてしまうことも少なくありません。
納期が長い
メーカーへの修理依頼をする場合、納期は4週間から6週間かかることもあります。海外メーカーになると、輸送などもあるため数か月以上かかることも珍しくありません。
とくに高級ブランドになると、スイスやドイツなどの海外の工場でしか作っていないこともあります。それらの現地に持ち込んで修理が行われるケースも多いため、長期化は覚悟しなければなりません。
時計修理を専門業者に依頼するメリット
専門業者への修理依頼には、以下のメリットがあります。
料金が安い
メーカーへの修理依頼と比較すると、料金が安く済みます。前述したように、メーカーにオーバーホールを依頼すると4万円から5万円以上することも珍しくありません。とくに高級ブランド物になると、高額の出費になりやすいです。
一方で専門業者への修理依頼(オーバーホール)の場合は、数千円から2万円程度で行ってくれます。メーカーと比較すると、半額から7割程度の金額であり料金を重視した修理に適しているでしょう。
納期が早い
メーカーに依頼するのと比較して、早く対応してもらえるのも専門業者のメリットのひとつです。早ければ1週間から2週間で仕上がります。
メーカーで修理する場合は、海外に持ち込まれることも多いですが、専門業者の場合は国内で対応することがほとんどです。したがって、直ぐに修理に取り掛かってもらえるため時短にもなります。
時計修理を専門業者に依頼するデメリット
専門業者への修理依頼には、以下のデメリットがあります。
技術力に差がある
メーカーと異なり、専門業者はその時計ブランドの専門家ではありません。職人によって得意なブランドもあれば苦手なブランドがあることも確かです。
つまり店舗や職人によって技術力に大きな差があるため、精度の高いメンテナンスをしてくれえるかは分からないということです。最悪の場合、腕時計に不具合が発生し、さらに状況が悪化することも考えられるでしょう。
純正パーツが使用されないことも
メーカーに修理依頼すると、基本的に純正パーツが使われるため、修理の精度は極めて高くなります。
しかし、専門業者の場合は純正パーツが手にはいらないことも多く、安価なジェネリックパーツと呼ばれる互換性のある部品を使われることも少なくありません。
当然、純正パーツと比較すると壊れやすく、短期間で再度修理が必要になることも考えられます。
したがって専門業者を利用する際は、業者選びを重視しなければなりません。評判のよいところを探すために、インターネットの口コミサイトを利用するなどしましょう。
まとめ
時計修理はメーカーと専門業者どちらに依頼するかは、あなたの重視するテーマによって異なります。たとえば料金および納期を重視するのであれば、専門業者への依頼がおすすめでしょう。
一方で修理の精度や修理後の保証を重視するのであれば、メーカーへの依頼がおすすめです。しかし、専門業者の中にも、メーカーに負けないほどの技術を持っているところは少なくありません。
つまり優良業者を選べれば、安価に精度の高い修理をしてもらえるのです。ちなみに優良業者は一級時計技能士の資格を持った技術者が所属しているか、さらに修理後の保証をつけているか、といった部分で見分けられます。